腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

「本当は、わかってる……。私に魅力がないってこと……なのに、みっともなく縋り付いて。翠さんが目を向けてくれないのも、当然で……」

「は?」

「翠さんを囲んでる人たちは全員、可愛くて美人で……勝ち目なんてないって、わかってるのに……」



翠さんを囲む人たちは全員可愛くて美人で、勝ち目なんてないことが一目瞭然でわかる。



「んなことねーって」

「そんなこと、あるのよ……!!」

「はぁ? 翠はんなこと言って───」

「昔、いじめっ子に言われた言葉があるの」

「……は?」



これは過去の話。

中一のとき。

一度だけ、いじめられたことがある。


『ねぇ、妹が可哀想だと思うわないの? 妹を引き立て役にするなんてとことん性格終わってるね』

『わ、たしは……』


いじめてきた彼女も、妹の立場だった。

彼女の姉は、家を継ぐことが決まっていた。

学園内でも有名な人で、何度だって比べられる話を私も聞いていた。

だから、橙華のことを気にかけていたんだと思う。