腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

「……とりま、そこら辺の人いないとこ行くぞ。文句言うなよ」

「えっ……」



気づいたら、体が浮いてた。

きっと運んでくれるんだと思う。



「ほら、これ。被っとけ」

「……ありがとう」



長袖のジャージを頭に被せてきた。

……私のこと、嫌悪してると思ってた。

こういう不器用な優しさ、翠さんにソックリだ。

……たしかに、“従者”じゃないね。

あなたは、加賀美翠の“友人”だ。



「で、何があったんだよ」

「……実は……」



翠さんと大喧嘩になったこと。自分のせいだということ。大嫌いと、言ってしまったこと。

全てを話すと、綴はため息をついた。



「は〜! なんだよ惚気話かよ。つまんね。てか今が弁当時間でよかったな。今頃翠、必死に探してんだろーな。ウケる」



……本当に翠さんの友達か?

そこは私を励ますでしょ。



「……私が、悪いの。あんな、ひどいこと言って……っ」

「だぁー!!!」

「え……」