うるさい実況者が変わったのか、二年の女子がやっていた。

そして、ホイッスルと共に綱を引いた。



「っ、しまっ……!」



私は後ろに迫ってくる男子に足を踏まれ、バランスを崩した。

そして前の男子がこちらを向いて倒れた。

その瞬間で勝ったからよかったものの、体制に問題があった。



「ご、ごめんなさい。大丈夫ですか───っ、きゃぁぁ!!」

「「「「「きゃぁあああ!!!!」」」」」



女子の悲鳴が上がった。

倒れた男子が、私の胸に顔を埋めていたからだ。

私は咄嗟に、頭を殴ってしまった。



「あだっ!!」

「あっ、すみません!! 大丈夫ですか? お怪我は?」



とにかく胸から引き剥がして、できるだけ丁寧にする。

このままじゃ叩いた私が悪人だ。それは阻止しないと。



「だ、大丈夫っす……。へへ……」