「お姉ちゃん、水分足りてる? これ飲む?」

「ありがとう。それより、橙華こそ気をつけてよね。まだ学校生活慣れてないのに総練習なんて。周りに押されないようにね。なんか誘われたらキッパリ断ること! わかった?」

「わかってるよ〜」



やれやれと妹に言われ、少し傷ついた。

まあでも、こんなに仲良くなれたんだから、今の時間を大切にしなきゃね。



「綱引き勝ってくる。まあどうせほとんど男子だし、クラス対抗だからね」



自分の学年の人たちのことは知ってる。

ちなみに、橙華に告白した愚か者のことも記憶してる。

いつでも燃やせるようにね。



「でも、倒されたりしないようにね。さすがに大量の男子の下敷きになったら危ないよ」

「それもそうだけどね。でも護身術も合気道もしてきたし、自分の身は自分で守れるから大丈夫よ」



行ってきますと橙華に手を振り、クラスから離れる。



『えー、これで選手全員が揃いました。ではまず、一年のAクラス対Bクラスの戦いです!』