腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

結局あんなことがあっても審査員が来ることには変わりない。

だから極力一種目の人数を絞る必要がある。

審査員がちゃんと見れる範囲を取るために。



『ではプログラム3に行きたいと思います! 最初の競技は玉入れです! 今回の目玉選手は4人!』



これは学年対抗の種目。

一学年ずつ5人。

一年生で知っているのは朝比奈さんだけ。

二年生に知り合いはいない。

三年生にもロクな知り合いはいないから、絞りで冬月さんと翠さんになる。



『目玉選手は生徒会の皆さんだー!! まさか種目で全員被るとは素晴らしいですね! 一年生からは九条蓬さん、朝比奈綴さん! 三年生からは冬月泉さんと加賀美翠さんです!!』

「「「「きゃぁぁー!!!」」」」



翠さんの名前が出された瞬間、女子が大声を上げた。

あまりにの大声に耳を塞ぐ。



「だりー。俺面倒ごと嫌いなんだけど」