腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

言った後に後悔した。

本当に私は馬鹿だ。

その瞬間、翠さんがあの黒い笑みを浮かべた。

ヤバい、笑みを浮かべないほど怒らせていたのに、黒い笑いをする翠さんを出してしまった。



「黙って俺の腕の中で鳴けよ」



その声に、“翠さん”はもういなかった。

こんなのがプロポーズの愛の言葉なんて、ロマンチックの欠片もない。



「さて、蓬が俺のを欲しがるのが先か、俺が復活するのが先か……どっちだと思う?」

「ゆ、ゆ、ゆるゆる許して……」

「滑舌回ってなーい。せっかく寝かせてあげようとしたのに……蓬が悪いもんね?」



本当に無理。

3時間の後とか無理無理。

どうする? 最初のときみたいに失神させる?

そう思って手を動かしたけど、翠さんはそれを読んでいたかのように手を阻止した。



「はいやっぱりー。もう効かないよ? 俺さ、今日は蓬が壊れるまで愛するって決めたから」

「も、もう壊れそうですってば! 許して」

「無理だよ? そっちが火つけたのが悪い。さ、極限まで壊してあげるね」



───この男に近づいてはいけないと、実感したプロポーズだった。

なのに、愛するのをやめられなかった。

禁断の恋。

誰か、この沼から引き抜いて。