腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

どうやら私は、耳元での翠さんの声には弱いらしい。

翠さんもそれを知って、わざわざ耳元で言ってくる。

本当にズルい。



「……なんかもうちょっと感動的な言葉ください。プロポーズとしては足りませんよ、シチュエーションも言葉も」

「何それワガママだな〜。じゃ───」

「っ、んぅっ……!!」



またいきなりキスをされて、深い大人のキスになる。

最初は触れ合うだけのキスだったのに、何度も舌で口の中を攻撃してきた。



「っ、はっ……! 何その顔、口ちっさいから俺の舌だけでいっぱいじゃん。また襲うよ? そんなとろけた顔して」



このときの翠さんはまさに、“男の顔”だった。



「───俺と、結婚して?」



本当に、ズルい。

この腹黒王子が。

私はムカついて、服の襟元を引っ張った。



「私のこと、あんまりからかわないでくださいね? ───王子様」