そう言うと、父親が逆上してきた。



「親を貶めて楽しいか！？　その年まで育ててやった恩を仇で返しやがって！！」

「……ふっ」



掴みかかってきた手を押さえつけ、腕を回して動けないようにした。



「な、何をする！　グアッ……」

「黙れ。そんな胴が隙だらけの攻撃に私がやられると思った？　あなたたちに言われて護身術、空手、柔道はやってきたけど？」



自分でやらせてたことが仇になったわね。この能無し。

すると、翠さんが横から介入してきた。



「ねぇ、俺の嫁に手ぇ出すってことは、加賀美を敵に回すと思って」

「っ、クソが……！」



父親の髪の毛を鷲掴みにしてそう言い聞かせた。

加賀美を敵に回して、味方ももういないこの世界でやっていけるわけない。

それをこの能無したちも、一応はわかっているらしい。



「金輪際、私たちに関わらないで。もし強行突破するつもりなら、法的手段を取ります」

「ふっ……そう簡単に経営などできるわけない。ましてやあんな落ちこぼれが？　九条の伝統も潰え、た……ッ！！」