腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

「ほら、帰ろう。蓬」

「っ……」



嫌なのに、触らないで。

まるで翠さんが触った場所を上塗りするように、冷たい手で触られた。



「っ、いや……!!」



反射的に手を振り払うと、桜小路白斗はニヤリと笑った。



「へぇ? 橙華ちゃんがどうなってもいいのかな? ひどいお姉ちゃんだ」

「っ……」



このままじゃ、橙華が……。

でも、もう翠さんのことは裏切れない。

絶対に、ついて行くものか。

そう気持ちを込めて睨むと、父親が睨み返してきた。



「なに身勝手なことを言ってるんだ! ったく、この家には従順な奴はいないのか!」

「従順? そんなの、あなたたちが頑張って地位を築けてれば関係ないでしょ。娘にすがりついて情けなくないの?」



抵抗をと思い、心で思っていたことを吐いた。

すると、案の定顔を真っ赤にして怒り出した。



「うるさい!! ほら、行くぞ!」

「っ、つう……」