橙華と和葉は嫌そうに顔をしかめた。

でも……独りは寂しい。

そんな私の表情を感じ取ったのか、翠さんはまた優しく撫でてくれた。



「大丈夫、すぐ戻ってくる。保健室に来る人もいないからゆっくりしとけ」

「……はい」



なんて、男らしいんだろう。

こういうところだ、翠さんを男として見えるときは。

いつも男だけど、いつもとはまた違う表情。



「帰ってこなかったら怒りますからね」

「はっ、何それかわい。大丈夫、戻ってくるって」



そう言って、翠さんたちを送り出した。

そして、和葉に声をかけた。



「和葉、余計なこと言わないでよ」

「……バレましたか」



和葉は意味深に微笑んだ。