腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

それでも、後ろから殺気が絶えないから必死に言い訳を考える。



「す、翠さんっ! こんなの、和葉が作った動画ですよ! ほら、こういう合成もの作れる人いるじゃないですかっ!」



髪の毛で隠れていて、翠さんの目元が見えない。

逆にそれが怖くて、慌ててそう言った。

でも、それを橙華が粉々にした。



「ごめんお姉ちゃん、私、全部見てたの……」

「っ、え!?」



橙華の言葉に、目の前が真っ暗になった。

橙華には見られてて、和葉には動画まで撮られてて……。



「ごめん、お姉ちゃん……っ。嫌なのに、私のために耐えて……っ!! なのに私、見てることしかできなくて……!」

「えっ……」



橙華が泣き出したから、橙華を抱きしめた。



「大丈夫だよ。実際あれよりされてないし。あれ以上ならキス未遂くらい……───ッ!!」



そこまで言って口を抑えた。

あまりにも、翠さんのお顔が怖かったから。

冬月さんと朝比奈さんは目を逸らして“関係ない”と目で言っていた。

裏切り者〜……!!