「翠!!」

「ヤベ……」



まるで何かを止めるような大声。

翠さんたち、何か隠していることがある……?



「ど、どういうことですか……? 止められてたって……」



疑問を言っているのに、冬月さんは話を続ける。



「翠、あなたのためを思って言ってたんですよ。それを台無しにして……計画ってものを知らないんですか」

「え? 計画?」

「泉……お前も人のこと言えないだろ……」



間に挟まる私の声も聞こえていないのか、どんどん二人とも口を滑らして行く。

そして、翠さんは私のほうに向き直って……。



「蓬と二人にしてくれ」



そう言って、私の頬を優しく包んだ。

その温かさに、また涙が溢れそうだった。

橙華たちは気を使ってくれたのか、部屋から出て行ってくれた。