腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

「私こそ、ごめんね……。橙華の気持ち、考えられなくて……。橙華のこと、もう二度と傷つけない、傷つけさせないって誓ったのに……ダメなお姉ちゃんで、頼りないお姉ちゃんでごめんね……」



これだけは、自信持てないな。

傷つけてしまったから……。

でも、それでも大切。

自分の犯してしまった罪は変わらないけど……大切に思ってる気持ちは、絶対嘘じゃない。

橙華の背中に手を置いた瞬間、肩がビクリと動いた。



「なっ、に、言って……! ごめん、私のせいで、辛い思いさせて……!」



その言葉を聞いて、本当に心が温かくなった。

こんないい子に育って、よくあの環境で曲がらなかったなぁ。

私はまた橙華を抱き締め返し、頭を撫でた。



「ううん……辛い思いをしたのは、橙華だよ。ごめんね、私がもっとちゃんとしてれば、あのとき守ってあげれてれば……」



橙華は、“そんなことない”と言うように、ギュッと抱きしめてくれた。

こんなに幸せになったのは、何年振りだろう。

自然と笑っていたのかもしれない。

翠さんが、微笑んでいたから。

しばらく橙華と抱きしめ合っていたら、翠さんが口を開いた。