扉に向かって話しかければ、蓬の妹、橙華が出てきた。
まさに、恐る恐るという感じで。
「蓬は、大丈夫なんですか……!?」
開口一番の言葉が“それ”で笑った。
「だいじょーぶ。結構擦りむいてるし、熱も死ぬほどあるけど……まあ大丈夫。でも、なんで君がそんな心配すんの? だって、姉ちゃんのこと嫌いなんだろ」
わざとそう聞いた瞬間、橙華はビクリと肩を震わせた。
「……別に、そういうわけじゃ……」
「ははっ、『別にそういうわけじゃない』、ねぇ。早く素直になったほうがいーよ」
「な、何が……」
まったく、姉妹二人して面白い話だ。
「本当は蓬のこと、心配だったんだろ。蓬だって、あんたのこと大切に想ってる」
そう聞いた橙華は、烈火のごとく怒りだした。
「……私のことを『大切に想ってる』? 何よそれ……! 私は毎日蓬と顔を合わせる度に比べられて、何をしてもバカにされて……! 恵まれたあんたなんかに、私の気持ちはわからないわよ!」
そう聞いて、本当に呆れた。
まさに、恐る恐るという感じで。
「蓬は、大丈夫なんですか……!?」
開口一番の言葉が“それ”で笑った。
「だいじょーぶ。結構擦りむいてるし、熱も死ぬほどあるけど……まあ大丈夫。でも、なんで君がそんな心配すんの? だって、姉ちゃんのこと嫌いなんだろ」
わざとそう聞いた瞬間、橙華はビクリと肩を震わせた。
「……別に、そういうわけじゃ……」
「ははっ、『別にそういうわけじゃない』、ねぇ。早く素直になったほうがいーよ」
「な、何が……」
まったく、姉妹二人して面白い話だ。
「本当は蓬のこと、心配だったんだろ。蓬だって、あんたのこと大切に想ってる」
そう聞いた橙華は、烈火のごとく怒りだした。
「……私のことを『大切に想ってる』? 何よそれ……! 私は毎日蓬と顔を合わせる度に比べられて、何をしてもバカにされて……! 恵まれたあんたなんかに、私の気持ちはわからないわよ!」
そう聞いて、本当に呆れた。



