腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

「そうですか……でも、私はいつでも蓬様の味方です!」

「そうですよ! 次の婚約者は反りが合うと良いですね!」

「……ありがとう」



一度婚約破棄をした身では、きっとたまに見下すような瞳を向けられるだろう。

それほどまでに、この世界では婚約者が重要だから。

荒い息を漏らしながら準備をしていると、アナウンスが鳴った。



『生徒の皆さんは、グラウンドに集まってください。開会式を始めます』



聞き覚えのありすぎる声に、ドキリとした。

これは間違いなく、翠さんの声だ。

泣きそうになりながらも、グラウンドに向かった。