腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

「わかり、ました……」



この状況で何を言ってもダメだと心の中で理解し、部屋に戻った。



「頭、いた……」



薬を飲んで、カバンを持つ。

痛すぎる……風邪なんていつぶりだろう……。



「和葉、行ってきます……」

「行ってらっしゃいませ」



できるだけ普通を装ったからか、和葉は気づかなかった。



「あ、蓬様よ……!!」

「き、来た……!」



教室に入ると同時に、いろんな人が集まってきた。



「蓬様! どうして加賀美様と婚約破棄をされたのですか……!?」

「そうです! わたくしたち、二人のこと応援していましたのに……!」



まったく、無関係の人たちが……。

本当なら逃げ出したいけど、笑顔で答えることにした。



「ただ反りが合わなかっただけですよ」



頭の激痛、揺れる視界を抑えながらゆっくりと語る。

それに騙されてくれたのか、皆面白みがなさそうな顔をして離れた。