腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

《蓬はあの夜、なんで何も思ってない男に抱かれたの?》

「っ……」



直球すぎる発言に、息を呑んだ。



「そ、れは……」



大好きだから。
あんな人に初めてを奪われるなら、翠さんに触って欲しかった。

せめてもの抵抗として、最後に翠さんに触れて、愛を感じたかった。

小さい頃から、まるで牢屋に閉じ込められているように、才能だけを求められてきた。

だから、愛なんて感じたことがなかった。

いつも求められるのは“頑張った私”で、“本当の私”を求めてくれる人はいない。

感情さえも失ってしまうのかと絶望していたとき、助けてくれたのは翠さんだった。

愛を教えてくれて、愛することも教えてくれた。



「普通の女の子として、翠さんに出会いたかったです」

《え?》



普通の女の子として翠さんと出会って、恋をして。

汚い生き方しか知らない私は、翠さんの隣に相応しくない。