「……まだ、こんな時間……」



目を覚ますと、朝の4時だった。

ムクリと体を起こした瞬間、全身に激痛が走った。

主に腰、お腹、太ももの内側に。

昨日───翠さんに初めて抱かれた。



「んー……蓬ぃ〜……」

「……翠さん……」



翠さんは隣で爆睡中。

昨日、いや、朝の2時まで求められていて……。

体力なんでそんなに持つの……と思いながら、私も受け入れてしまった。



「あの温かさも、優しさも、これで最後ですね」



これで本当に、さようなら。

ごめんさい、最後まで伝えられなくて。



「本当は、ずっと言い合って、ずっと愛されていたかったです……っ」



寝ていて聞こえないのに、何言ってるんだろう。

でも、どうしても伝えたくて。



「もし今、愛してるって言ったら……あなたはまだ、私を愛してくれますか……?」



ずっと一緒に、いたい。

隣で、愛を感じていたい。

隣で、私も愛を伝えたい。



「ごめんなさい。こんな私を、許してください」



一つの選択肢を取って、翠さんを見捨てた私を、許して───。



「これで、最後です───……」



そっと、翠さんの頬に唇を落とした。