「それで?旭陽とは話せたの?」

「無視はされなかった!」


隣を歩く莉音ちゃんに旭陽の表情を伝えるため、人差し指で両方の目尻を吊り上げながら言う。


「あっはは、相変わらずクールなんだ!?先は長いね」

「そーなんだよね…。朝一は返してくれたけどね、その後の休み時間はずーっと空振りなの!なんか対策考えないと…」

「澪音もしかして、毎時間話しかけたの?」

「勿論!」

「嫌われない?それ、大丈夫?」

「えっ!?」


怖いもの知らずな私に、莉音ちゃんは苦笑い。


「まぁ、澪音なら大丈夫だよ」


だけど必ず私の背を押してくれる姉に、私はまた拳を握って意気込んだ。