最低な元カレにフラれたらイケメン医師に成長した幼馴染からの溺愛がはじまりました。

「あぁ。だけどあの後ちゃんと就職して、奈美のことも考え直したんだろ? それを無碍にしてもよかったのかどうか、俺にはわからないんだよ」

杏奈は今にも泣き出してしまいそうだった。
どうしてここまで言ってもわかってくれないんだろう。

私は今の幸せを壊すことなんて考えられないのに……!

杏奈は勢いよく隣の部屋へ向かうと、奈美が起きるかもしれないことなどおかまいなく、晃司からのメモ書きを持って戻ってきた。

スマホを手にその番号に電話を入れる。
「おい、なにするんだ?」

稔が止めに入るけれど杏奈は聞く耳を持たなかった。
数コールですぐに晃司が出る。

『杏奈か?』
名乗る前にそう言われて「そうよ」と、頷いた。