「おーい、2周目計るぞー」

「えー!また走るのー!?」


先生からの呼びかけに女子からブーイング。

また走るんだー。
何回走っても同じなんだけどなぁー。。



「日和、呼ばれてるよ」

「うん、行ってくるね」



スタート地点に行くと、さっきも一緒に走った女の子がいた。


「前川さん」

「は、はい」

いきなり話しかけられた。


「鈴原くんとどんな関係なの?」

「え?関係って…特に何も…」

「あんたみたいな地味や奴が鈴原くんに近づかないでよ」


ドクン


やばい。
心臓がドクドクしてきた。
嫌な鼓動。



「私、何も…」

「成田さんとも仲良くしてさ。何様なの。キモイんだけど」


あ、まただ。

また同じ事繰り返しちゃう。



「位置についてー」


とにかく今は走らなきゃ。


「よーい」


走らなきゃ。


ピッ



ザザーッッ!!!!!



「日和!?」


「いっ…」


頭がパニックになったせいか、スタートしてすぐに派手にこけてしまった。


桜ちゃんがすぐに駆け寄ってきてくれた。


周りには何人かクスクス笑っている。

別にいいけど。
いいんだけど、やっぱり高校でもこうなっちゃうんだね。



「前川、保健室行けるか!?」

「はい、大丈夫です」

今は一刻も早くここから離れたい。


「私が一緒に行ってきます!」

「桜ちゃん、ごめんね。ありがとう」


桜ちゃんに支えてもらいながらゆっくり起き上がる。


「いった…ッッ」



そんな時、身体がふわっと宙に浮いた。