気を抜いたら泣いてしまいそうなほど、類の胸は温かくて優しかった。


「ただのボディガードにしては随分だなァ。もしかしてお前、せなチャンに惚れてんの?」


「俺はボディーガードとして、命に変えても聖奈様を守るだけ。この世で一番大切なヒトだ」


それを聞いて、顔が一瞬でカァーッと熱くなるのを感じる。


類が言った言葉の意味は、きっと〝この世で一番大切な主人(あるじ)だ〟ってこと、そんなの分かってる。


だとしても……そんなことを言ってもらって、嬉しくない人なんていないよね?


類が来て安心したのか、それから急に自分の中で張り詰めていた緊張の糸がプツンと切れる音がして。


今度は何もされていないけど、気づいたら私はまた意識を手放した。