たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~




『……ふふ,言っちゃった』



(エヴィー,あなたさえ幸せなら,それでいいわ。
もうそろそろ,森のそとへ返してあげなくちゃね)



軋む思いもそこそこに。

私が思う2ヶ月も早くその日は訪れる。



「エヴィー,すごいわ。教えることもなくなって,実習も筆記も全てが完璧よ」

「ほんと!?」

「ええ。これ以上はないわ。例え気を抜いても,一生ダニーには敗けないでしょう」

「ふふ,そっか,そっかぁ」



修了の通告を前に,少しずつ,エヴィーの声は萎んでいった。



「嬉しくないの? エヴィー」

「ううん。嬉しい。うれしい,はずなんだけど……なぁ」