たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~




「エヴィー,まずは魔力について答えてみて」



基礎の基礎。

私はエヴィーの認識レベルから調べることにした。

エヴィーはこくんと頷いて捻り出す。



「えっと。魔力は生まれつき私達が体内に持っているもの。魔法として使えば減るけど,使わなければ減らない。魔力の保有量は人によって様々で,使った分は時間が経てば保有量の限界まで復活する……体力と似たようなもの」

「子供の頃から気を付けろと言われるのは?」

「魔力の枯渇と,1度の使用量。魔力が枯渇すると,呼吸困難と思考力低下で倒れちゃうから。一度に使いすぎるのも駄目で,その時の症状は頭痛と目眩。最悪の場合はどちらも」



(「死に至る」。ここまでが一般常識。完璧だわ)



「魔力を消費する方法は,魔法に変換して体外に放出することのみ。そうよね?」

「うん。3歳の時に"魔力解放の儀"を受けることで,火と水·金属が作れるようになる。変換の早さは身を守る盾や槍にもなる」



魔力の放出量,速度。

魔法学校で学べるのは主にそんなところ。

だけど