たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~


自分と同じように,絵本を読んで魔女に肩入れしていたハリーだけは,歴代の王とは違うと思いたかったのに。

自分は姿を現しもしないで,暗殺者ばかりを送り続けてくる。

気が触れそうな中,いいえ,とっくに気が触れてしまった今。



(常人のフリをして生活するので精一杯よ)



「でも,エルさん……私達が守るわ。魔女を倒すために集められたパーティーだけど。魔女はいない。ならもう関係ないもの。反抗して,逃げて。それじゃだめなの?」



(エヴィー,あなたは何も分かってない)



エヴィーの師匠をする傍らで私が何をしていたのか。