それから3ヶ月以上が過ぎたが、

相変わらず日野と俺は仲が良くて、

俺は今まで以上に練習を頑張れた。

野球をするのに彼女なんて邪魔だと思っていたが、

こんな気持ちになれて、

こんなに野球を頑張れるなら、

もっと早く彼女を作ればよかった。


今日の夜も日野と電話をする約束をしている。

それを楽しみに俺は練習を頑張っていた。


そして、明日は待ちに待った

春の甲子園大会第一試合。

相手は、甲子園初出場のチーム。

レベルは俺たちの方が遥かに上だから、

落ち着いて練習通りにやれば、

俺たちは勝てるだろう。

1年でベンチ入りしているのは、

ピッチャーの俺、サードの烈、

そして忍者というあだ名を持った

凄腕ショートの田中颯太(たなかそうた)の

3人だけだった。

俺達はスタメンではなかったが、

日野は坂口と細姫と一緒に甲子園まで

試合を見にきてくれると言っていた。


何試合目になるかわからないけど、

南雲先輩が全試合投げるのは厳しいだろうから

2番手の俺は必ずどこかの試合で

出場するだろう。

抑える自信しかなかったし、

とにかくかっこいい姿を

日野に見てもらいたかった。