皇帝陛下がやっぱり離縁したくないと言ってくるのですが、お飾り妃の私が伝説の聖女の生まれ変わりだからですか?

ダリルがクスッと笑う。


「一度にたくさんは読めませんので、読み終わったらまたお借りしたいと思います」
「重いでしょうから、瑠璃宮まで私がお運びしましょう」
「いえっ、お忙しいダリル様のお手を煩わすわけにはいきません。私に関することですから、自分でしっかり持ちます。それに馬車で来ていますから」


そこまでなんとか行けば、あとは馬が運んでくれる。


「ありがとうございました」


ずっしりと重い本を抱えて執務室を出ると、ニコライがすっ飛んできた。


「妃殿下、私がお持ちします」
「いえ、私が勝手にお借りしてきたものですから」
「そうは参りません、私の役目ですから。陛下に叱られてしまいます」


それはかわいそうだと、エリーヌも考えを改める。


「では半分だけお願いします」
「いえいえ、全部お貸しください」