皇帝陛下がやっぱり離縁したくないと言ってくるのですが、お飾り妃の私が伝説の聖女の生まれ変わりだからですか?

宮殿の者、全員が魔石の相性を心配しているのは十分理解しているが、ダリルから面と向かって夜伽絡みの話をされるとアガットのときより数倍恥ずかしい。


「私の推測した通りだ」
「推測した通り?」
「その魔石は、陛下の金色の魔石と相性が格別にいいのだろう」
「あ、いえ、その……」


思わず訂正しかけたが、真実を話すわけにはいかない。リオネルから他言無用だと直々にお願いされている。


「なぁに謙遜する必要はないのだよ、エリーヌ殿。私は長年、魔石を研究してきたのだ。いろいろな文献を漁り、様々な仮説を立証してきた。特に金色の魔石については陛下がお産まれになってから、それこそ寝食を惜しんで研究に励んできたのだから。その証に見よ、私のこのお腹を」


ダリルはでっぷりとした腹部をポンと手で叩いた。まるで大太鼓のようにいい音が鳴る。


「食べずに励んだ研究の成果が、そこに詰まっていらっしゃるのですね」
「その通りだ、ハハハ」


高らかに笑い、ダリルは急に真顔に戻って続ける。