皇帝陛下がやっぱり離縁したくないと言ってくるのですが、お飾り妃の私が伝説の聖女の生まれ変わりだからですか?

「いえいえっ、そういうわけにはまいりません」


皇帝を椅子で寝かせるなど言語道断。エリーヌは大慌てで首を横に振った。


「だがキミをソファに寝かせるわけにもいかない。ここは諦めて隣で寝てくれると私も助かるのだが」


リオネルにそう言われれば従う以外にない。皇帝の命令はエリーヌにとって絶対だ。


「かしこまりました。そのようにいたします」


エリーヌが寝台に向かっている間にリオネルは早々に横になる。仰向けになり両手を寝具から出して胸の上で組んだ。
エリーヌは反対側からそろりと体を滑り込ませ、彼に倣って仰向けになる。


「ひとつだけ確認したいのですが、明日以降私にはどういった公務がありますか?」


皇妃だからといって、のほほんと暮らしているわけではないだろう。皇帝並みとはいかずとも、なにかしら仕事はあるに違いない。