皇帝陛下がやっぱり離縁したくないと言ってくるのですが、お飾り妃の私が伝説の聖女の生まれ変わりだからですか?

リオネルはエリーヌを引き寄せ、背中に腕をそっと回した。


「私もリオネル様を愛しく思っています」


見上げると同時に唇が重なる。
やわらかいぬくもりを感じるキスだった。

ノックと同時にドアが開き、アガットが遠慮がちに顔を覗かせる。


「失礼します。馬車の準備が整いましたので、そろそろよろしいでしょうか」
「ああ、すぐに行く」


リオネルの言葉にエリーヌも頷いた。


「では、参ろうか」
「はい」


差し出された腕に自分のそれを絡め、並んで前を向く。


「エリーヌ、これからも国の発展と幸せのために力を貸してくれ」
「もちろんです。私の心はリオネル様と共にありますから」


凛々しく微笑んだ彼に笑い返した。

輪廻転生。魂は何度でも生まれ変わり、また違う時代に息づく。

前世は前世だと考えているエリーヌだが、来世でもまたリオネルと会いたいと願わずにはいられない。

そしてそれはきっと叶うと信じている。
この想いは未来永劫、どこまでも続くと。



おわり