皇帝陛下がやっぱり離縁したくないと言ってくるのですが、お飾り妃の私が伝説の聖女の生まれ変わりだからですか?

このままではふたりとも命を落としかねない。


氷の領域(アイスレルム)


アンリが詠唱すると、辺りの温度が急激に下がった。大地も木々も、氷に覆われたのだ。
針で刺されているように頬が痛い。

突如として空気が凍り、リオネルの周りを取り囲んだ。


「氷とともに永遠の眠りにつくといいよ、リオネル」


氷にも負けないアンリの冷ややかな声が、凍てつく大地に響く。意気揚々と腕を上げ、リオネルを指し示した。


「さよなら。氷爆発(フローズンバースト)
「やめてー!!」


エリーヌの願いも空しく、氷がリオネルごと大爆発する。飛び散った氷がエリーヌの前で白い煙を上げた。


「陛下!!」


駆けだそうとしたエリーヌだが、氷の杭に阻まれてしまう。