リオネルの詠唱で烈風が吹きすさぶ。氷の針はその風に巻き上げられ、木立の中にパラパラと音を立てて消えた。
「アンリ様、やめて! どうして陛下に攻撃など!」
「どうしてって、さっきから言ってるだろう。僕はキミを手に入れたいんだ。ずっとずっと、何百年も前からキミを……!」
最後の言葉はお腹の底から絞り出すような、まるで断末魔の嘆きのようにも聞こえた。
「前世に縛られるのはお止めください。私たちは今、この世界に生きているのです。私がお慕いしているのは――」
「その先の言葉など聞きたくない! いつもそうだ。そうだった。いくら僕が好きだと言おうがっ……」
アンリは苦々しく呟き、自分の膝を拳で殴りつけた。
「エリーヌ、アンリのそばを離れろ!」
リオネルの声が夜を引き裂いて届く。蹄の音が近い。
そう感じた直後、馬は高く上げた前脚で宙を掻き、急停止した。
月明かりで顔がようやく認識できる距離で、リオネルが馬から降り立つ。リオネルとアンリの間に、これまで感じたことのない緊迫感が漂っていた。
「アンリ様、やめて! どうして陛下に攻撃など!」
「どうしてって、さっきから言ってるだろう。僕はキミを手に入れたいんだ。ずっとずっと、何百年も前からキミを……!」
最後の言葉はお腹の底から絞り出すような、まるで断末魔の嘆きのようにも聞こえた。
「前世に縛られるのはお止めください。私たちは今、この世界に生きているのです。私がお慕いしているのは――」
「その先の言葉など聞きたくない! いつもそうだ。そうだった。いくら僕が好きだと言おうがっ……」
アンリは苦々しく呟き、自分の膝を拳で殴りつけた。
「エリーヌ、アンリのそばを離れろ!」
リオネルの声が夜を引き裂いて届く。蹄の音が近い。
そう感じた直後、馬は高く上げた前脚で宙を掻き、急停止した。
月明かりで顔がようやく認識できる距離で、リオネルが馬から降り立つ。リオネルとアンリの間に、これまで感じたことのない緊迫感が漂っていた。



