「マティアスだったら、アンリ様のようにしたでしょうか」
ふと沸いた疑問を率直に投げかける。
夢の中に出てきた彼は、ほかの人を顧みず自分の利益優先で動くような人ではなかった。引き離されたあともエリーヌを強引に連れ去ったりせず、人を傷つけずに円満に解決する方法を考えていた。
足を止め、アンリがエリーヌを見る。眉根を寄せ、なにか言いたいが言えない。そんな表情だ。
「アンリ様、帰りましょう」
「帰らないと言ってるだろう!」
アンリが急に声を荒げたため、エリーヌは思わず肩をビクンと揺らし、体を硬直させる。
「何度言ったらわかる? これからはふたりだけで生きていくんだ。もう絶対に誰にも邪魔などさせない」
「きゃっ」
アンリが強く腕を引っ張ったそのとき、遠くから馬の蹄の音が聞こえてきた。静かな夜の中、その音だけが遠く高く響く。
(もしかして、アンリ様の馬?)
誰も乗っていないと気づき、引き返してきたのか。
しかし音が聞こえてきたのは後方からだった。
ふと沸いた疑問を率直に投げかける。
夢の中に出てきた彼は、ほかの人を顧みず自分の利益優先で動くような人ではなかった。引き離されたあともエリーヌを強引に連れ去ったりせず、人を傷つけずに円満に解決する方法を考えていた。
足を止め、アンリがエリーヌを見る。眉根を寄せ、なにか言いたいが言えない。そんな表情だ。
「アンリ様、帰りましょう」
「帰らないと言ってるだろう!」
アンリが急に声を荒げたため、エリーヌは思わず肩をビクンと揺らし、体を硬直させる。
「何度言ったらわかる? これからはふたりだけで生きていくんだ。もう絶対に誰にも邪魔などさせない」
「きゃっ」
アンリが強く腕を引っ張ったそのとき、遠くから馬の蹄の音が聞こえてきた。静かな夜の中、その音だけが遠く高く響く。
(もしかして、アンリ様の馬?)
誰も乗っていないと気づき、引き返してきたのか。
しかし音が聞こえてきたのは後方からだった。



