「それは言い過ぎです。ちょっと力が出ただけですから。さぁアンリ様、宮殿に戻りましょう。今ならまだ大丈夫です」
リオネルが瑠璃宮に戻る前に帰り着けば、なにもなかったことにできる。急げばそうできるはずだ。
そうしたいのは、アンリがマティアスの転生者だからではなく、エリーヌがリオネルに嫁いでから築いてきたアンリとの関係を大切に思っているから。
「宮殿には帰らない」
「どうしてですか」
つい口調が強くなる。
「やっとエリーヌと一緒にいられるのに、わざわざ自分からその未来を手離したくない」
「そんな……。私はアンリ様とは一緒にいられません」
「ほら立って、エリーヌ。行こう。早くしないと追手がくるかもしれない」
アンリはさっと立ち上がり、エリーヌの腕を掴んだ。怪我はすっかり癒えたようで、引き上げる力は子どものものとは思えないほど強い。
「アンリ様、お待ちくださいっ」
リオネルが瑠璃宮に戻る前に帰り着けば、なにもなかったことにできる。急げばそうできるはずだ。
そうしたいのは、アンリがマティアスの転生者だからではなく、エリーヌがリオネルに嫁いでから築いてきたアンリとの関係を大切に思っているから。
「宮殿には帰らない」
「どうしてですか」
つい口調が強くなる。
「やっとエリーヌと一緒にいられるのに、わざわざ自分からその未来を手離したくない」
「そんな……。私はアンリ様とは一緒にいられません」
「ほら立って、エリーヌ。行こう。早くしないと追手がくるかもしれない」
アンリはさっと立ち上がり、エリーヌの腕を掴んだ。怪我はすっかり癒えたようで、引き上げる力は子どものものとは思えないほど強い。
「アンリ様、お待ちくださいっ」



