宮殿で怪我人が出たというのは、エリーヌを連れ出すための嘘だったのだろう。おそらくリオネルの手紙も偽物だ。
「アンリ様! 馬を止めてください!」
「そうはいかないよ。やっとエリーヌを奪えたんだ。このままふたりで遠くへ行こう」
「嫌です! 行きません! 下ろしてください!」
必死に訴えるが、アンリは耳を貸さない。
「どうしてわかってくれないんだ。やっとふたりで生きていけるんだよ? 僕はマティアスなんだ。ミュリエルだったエリーヌなら、マティアスと生きていきたいよね? リオネルはノーマンドだって言ってるじゃないか!」
エリーヌは懸命に首を横に振った。
「それでも私はアンリ様とは生きていけません!」
たとえアンリがマティアスで、リオネルがノーマンドの転生後の姿だとしても、もうずっと昔の話。エリーヌは今を生きているのだから。
「お願いです、下ろしてください。止めてくださらないのなら、ここから飛び降ります」
「アンリ様! 馬を止めてください!」
「そうはいかないよ。やっとエリーヌを奪えたんだ。このままふたりで遠くへ行こう」
「嫌です! 行きません! 下ろしてください!」
必死に訴えるが、アンリは耳を貸さない。
「どうしてわかってくれないんだ。やっとふたりで生きていけるんだよ? 僕はマティアスなんだ。ミュリエルだったエリーヌなら、マティアスと生きていきたいよね? リオネルはノーマンドだって言ってるじゃないか!」
エリーヌは懸命に首を横に振った。
「それでも私はアンリ様とは生きていけません!」
たとえアンリがマティアスで、リオネルがノーマンドの転生後の姿だとしても、もうずっと昔の話。エリーヌは今を生きているのだから。
「お願いです、下ろしてください。止めてくださらないのなら、ここから飛び降ります」



