皇帝陛下がやっぱり離縁したくないと言ってくるのですが、お飾り妃の私が伝説の聖女の生まれ変わりだからですか?

エリーヌは立ち上がって出迎える。


「花?」


リオネルはテーブルに広げられたものを見て尋ねた。


「はい。瑠璃宮の花壇で咲いた花です」
「一緒に見ようと約束したまま、果たせず申し訳ない」
「いえ、お忙しいのは存じていますから」


リオネルは微笑みを浮かべ、手にしていたカゴに被せてあったナプキンを外した。


「まぁ! サクランボ!」


つい声が弾む。大好きなサクランボがカゴいっぱいに詰まっていたのだ。


「やはりこれが正解か」
「はい?」
「エリーヌを笑顔にできた」


優しい眼差しがエリーヌの胸をあたたかくしながらくすぐる。