このまま放置すれば、いずれこの国も崩壊するだろう。欲に心を奪われた者がもたらすのは幸せとは対極のものだ。
マティアスは震える指先をステインに向けた。
「ほぉ、父であるこの私に盾突く気か。そなたが私に魔力で敵うと? 金色の魔石を持つ者の驕りだ」
マティアスの左手首には希少とされる金色の魔石が輝いていた。父は氷属性、母は水属性の魔石の持ち主だというのに、生まれたマティアスはそれらの魔力を凌駕すると言われる金色をまとってこの世に生を受けたのだ。
それをこうして実の親に使うなど、予想もしない未来を呪いたい。
「あなたにはこの国の王である資格はない」
「ふんっ、小賢しい。富があってこその国家繁栄だと理解できないとは愚かな奴め。そんな人間が私の息子だというのだから嘆かわしい」
ステインは立ち上がり、石畳の上に言葉を吐き捨てた。
そこに以前あったはずの慈愛に満ちた姿はない。同一人物とは思えない変貌を遂げ、まさに悪魔の仮面を被った人間ならざるものであった。
欲望は人をここまで変えてしまうものなのかと落胆する。
しかし嘆いている猶予はない。今ここで終わらせなければ、この国に未来はないのだ。
マティアスは震える指先をステインに向けた。
「ほぉ、父であるこの私に盾突く気か。そなたが私に魔力で敵うと? 金色の魔石を持つ者の驕りだ」
マティアスの左手首には希少とされる金色の魔石が輝いていた。父は氷属性、母は水属性の魔石の持ち主だというのに、生まれたマティアスはそれらの魔力を凌駕すると言われる金色をまとってこの世に生を受けたのだ。
それをこうして実の親に使うなど、予想もしない未来を呪いたい。
「あなたにはこの国の王である資格はない」
「ふんっ、小賢しい。富があってこその国家繁栄だと理解できないとは愚かな奴め。そんな人間が私の息子だというのだから嘆かわしい」
ステインは立ち上がり、石畳の上に言葉を吐き捨てた。
そこに以前あったはずの慈愛に満ちた姿はない。同一人物とは思えない変貌を遂げ、まさに悪魔の仮面を被った人間ならざるものであった。
欲望は人をここまで変えてしまうものなのかと落胆する。
しかし嘆いている猶予はない。今ここで終わらせなければ、この国に未来はないのだ。



