皇帝陛下がやっぱり離縁したくないと言ってくるのですが、お飾り妃の私が伝説の聖女の生まれ変わりだからですか?

早速耳に入っていたらしい。


「幸い大した怪我ではないのだが……」
「エリーヌ殿も意識を喪失したと聞きましたが」
「先ほど目を覚ましたから、もう安心だ」


ダリルが胸を大きく撫で下ろす。よほど心配していたのだろう、額に脂汗をかいていた。


「それはよかった。居ても立ってもいられず、先ほどアガットの元に文を飛ばしたのですが、まだ目覚めないと返事があったもので。目覚めましたか。いや、本当によかった」


リオネルはソファを勧められ、ダリルと向かい合って腰を下ろした。


「それで陛下はどのような御用件でこちらに? 少し前に時間を取ってほしいとおっしゃられていましたが、その話ですかな?」
「これを見てくれ」


リオネルは袖口をまくりバングルを出す。


「ほお、やはりそうでしたか」


金色の魔石はほのかに光を帯び、品よく輝いている。