皇帝陛下がやっぱり離縁したくないと言ってくるのですが、お飾り妃の私が伝説の聖女の生まれ変わりだからですか?

「承知いたしました。ではなんなりとお申しくださいませ」


納得してくれたらしい。


「ありがとう。それじゃ早速はじめましょう」


まずは土を耕さなくてはならない。
袖まくりをしてエリーヌが意気込んだときだった。


砂斬り(サンドスラッシュ)


小さな声の直後に花壇の土が波を打ち、うねりはじめる。

(――もしかして)

ハッとしてニコライを見ると、彼は涼しい顔をして手を下ろした。


「今のはニコライ様が?」


魔力だ。


「勝手は承知のうえですが、こうしたほうが速いので。これだけの広さの花壇を耕すとなると、さすがに三人では夜になってしまいます」