皇帝陛下がやっぱり離縁したくないと言ってくるのですが、お飾り妃の私が伝説の聖女の生まれ変わりだからですか?

「すみません、必要ないですよね。今のは忘れてください」


急いで訂正したが――。


「いや、もらおう」


意外にもリオネルは快く応じた。


「では明日の朝、お渡しします」


エリーヌの厚意を無駄にするわけにはいかないという彼の優しさや、サシェを少なからず気に入ってもらえていることがものすごくうれしい。


「楽しみにしてる」
「はい」


声を弾ませる。リオネルのためになにかをしてあげたい。もっと支えたい。彼の真面目さや優しさに触れ、エリーヌにはそんな想いが自然と芽生えていた。