皇帝陛下がやっぱり離縁したくないと言ってくるのですが、お飾り妃の私が伝説の聖女の生まれ変わりだからですか?

「あちらは今朝、オスカー大公殿下から届いたものです」
「オスカーから?」


リオネルは再び眉をピクリと動かした。


「はい。市場で綺麗な花を見つけたからとおっしゃって」
「……それは今回が初めてか?」
「いえ、三度目だったかと」


答えながらアガットに目線を投げかけると、彼女は頷き返した。
険しい表情をするリオネルを見て焦りが募る。


「すみません、今後はいただかないようにします」


リオネルの妻として、夫以外の男性からの贈り物は受け取らないほうがいいだろう。話が漏れて変な噂にでもなったら、一番迷惑するのはリオネルだ。考えが浅はかだったと後悔した。


「エリーヌ、謝らなくても大丈夫だよ。リオネルは妬いてるだけだから」


アンリは懲りない性質のようだ。リオネルに鋭い視線を飛ばされ、ペロッと舌を出した。
リオネルは釘を刺すようにアンリを見つめてからエリーヌを見る。