【短】八橋くん、私にかまわないで…!



友哉(ともや)くんが作ったんだって。すごいわよねぇ」


「んっ!?」




 咳きこみそうになって、パンを置きながら口を押さえた。

 え、いま、なんて…!




「つぐみのために作ってくれたのよ。味わって食べなさい」


「ま、待って、これ、八橋くんから貰ったの…!?」




 そんなの聞いてないよ!

 お母さんはなんてことないような顔をして「そうよ」なんて、あっさりと言う。




「…」




 八橋くん料理上手…じゃなくてっ、これを食べちゃったら、学校に行けって迫られても逆らえなくなっちゃう…。

 もう一口食べちゃったけど…!




「なにも気にすることないでしょ。それ食べていいかげん仲直りしなさいよ」


「や、やだよ、私お昼いらないっ…これはお母さんにあげる…!」