【短】八橋くん、私にかまわないで…!

 あれ、いつもとはちがうところで買ってきたのかな。

 それとも貰いもの?


 ふしぎに思いながら小瓶を取り出して、キッチンの奥に置いてある食パンの袋から1枚パンを取り出した。

 調理台の下の引き出しからスプーンを取ると、いよいよ、と食パンに大量のピーナッツクリームを塗っていく。


 もういい匂いがする、はやく食べたいな。




「お母さん、これどこで買ってきたの?」




 平皿に乗せた食パンをダイニングのテーブルに運んで、イスに座る。

 もうサンドイッチを食べ終わりそうなお母さんは「んー?」とのんびり答えた。




「買ったんじゃなくて、貰いもの」


「ふぅん、そうなんだ。いただきます」




 ぱくっと食パンの角を食べると、濃厚なピーナッツの味と抜群の甘さが口に広がる。

 美味しすぎる。