【短】八橋くん、私にかまわないで…!

 時計を見ると、12:47と表示されている。

 けっこう寝ちゃった…。

 もう洗濯物は干し終わっただろうな。


 おなかもすいてるし、お昼ごはんを食べよう、と私は音楽を止めて、体を起こした。

 ずっと曲を再生していたから、スマホの充電が減っちゃってる。

 充電し直しておこう。


 スマホに充電コードを挿してから、私は部屋を出た。

 一本道の廊下を歩いて行くと、すぐリビングダイニングに着く。




「お母さん、ごめん。寝ちゃってた」


「あら、起きたのね。つぐみもお昼食べなさい、冷蔵庫にピーナッツクリームがあるから」


「え、本当?」




 サンドイッチを食べているお母さんから、冷蔵庫へと視線を移して、私はキッチンに移動した。

 冷蔵庫を開けていつもの小瓶を探すと、すこし遅れてなんのラベルも貼られていない小瓶を見つける。