【短】八橋くん、私にかまわないで…!

「ま、待って、そんな急に…っ」




 言われても…っ!




「本当に好き。ずっと会いたかった」


「ぅ、わ、私も…」




 声変わりした、知らない声なのに、心臓のばくばくがおさまらない。

 友哉くんは、ぎゅうっと、強く私を抱きしめた。




「本当に?僕の彼女になってくれる?」


「そ、それは…っ、か、考えさせてほしいっ…!」


「だめ、なるって言って」


「ぅ…っ」




 そんな、切ない声で言われてしまったら。




「ひっこして後悔したんだ。つぐみちゃんの特別になりたい。もう二度とどこかに行ったりしないから」


「わ、わかった、明日っ、明日から彼女になる…っ」


「本当に?」




 友哉くんは腕をゆるめて、ぱぁっとした明るい顔で私を見る。

 こくりとうなずけば、その目尻はやわらいで、甘い笑顔が至近距離から向けられた。

 友哉くん、ますますかっこよくなってて、目にわるい…っ。