[4月からは学校においでよ。いやなこともあるかもしれないけど、楽しいこともいっぱいあるよ。少なくとも僕は布谷さんと一緒に学校に通えたらうれしいと思う]
「…っ」
まだとちゅうだったけど、がまんできなくなって、手紙を裏返し、ベッドに押しつける。
足元の方で折り返してあった布団をうしろ手につかんで、がばっと頭からかぶった。
「いやだ…っ」
学校に行きたくないのはもちろんのこと。
手紙の主、八橋くんにだって、会いたくない。
もう私にかまわないでほしい、と思いながら、私は体を丸め、ぎゅっと目をつむって流れる音楽に意識を集中させた。
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「ん…」
ぼーっとしながら目を開く。
いつの間にか眠っていたみたい。
流れ続けている音楽を聴きながら、頭の上の布団をどけた。