【短】八橋くん、私にかまわないで…!

 ずっと、待ってたの…?

 もう4時間も経つのに?

 どうしよう…っ。


 とたんにきんちょうが走って、私はあわててリビングに戻る。




「お母さんっ」




 キッチンにいるお母さんに声をかけると、お母さんは冷蔵庫を開けながら「なぁに?」と返した。

 そのお母さん越しに、ピーナッツクリームがまだたっぷり入ったあの小瓶を見つけてしまって、う、と言葉に詰まる。

 どうしよう…。




「なによ?お昼はパンでいい?友哉くんに貰ったピーナッツクリーム、いい加減食べちゃいなさい。どうせ友哉くんのこと大好きなんだから、意地張ってないで」




 そんなこと言われたって…。

 私はリビングの壁掛け時計をちらっと見て、ぎゅっと目をつむった。