【短】八橋くん、私にかまわないで…!

 私だって、あれから人付き合いがしんどくなって、学校にも行かなくなった。

 いまの友哉くんは、私の知らない…八橋くん。


 だから、もうしわけないけど…エイプリルフールにも会わない。


 そう、決めたのに…。




 4月1日の朝、私は起きてからずっとそわそわしていた。

 昨日と一昨日は、本当に手紙も届かなくて。

 だから、インターホンが鳴ったときは、心臓が口から飛び出すかと思ったほど。




「つぐみ、友哉くんが来てるわよ」


「か、帰ってもらって…!」


「まったくもう…昔はあんなに仲が良かったのに」




 お母さんのぼやきを聞き流して、私はマンションの通路に面している窓を見た。

 今日はまだカーテンを開けていないけど、すこしすき間ができているのに気づいて、あわてて閉め直しに行く。

 すると、お母さんがまた部屋にやってきた。