【短】八橋くん、私にかまわないで…!

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「つぐみ、友哉くんからよ」




 今日も届いた…。

 私の部屋まで来たお母さんから手紙を受け取って、お母さんが出て行ったあとに、いつもの準備をする。


 いつでも逃げれるように、場所はベッドの上で。

 すこしでも波立つ心をなだめられるように、スマホから音楽を流して。

 手紙を見る覚悟を決めるために、長い時間をかけて。


 今日もまた、デジタル時計の表記がパッと変わるのを視界のはしでとらえて、いやいや、あわい緑色の封筒から手紙を取り出した。

 始まりは、いつも謝罪から。

 そのあとに続く文章が、今日はいつもとちがう。




[お母さんから好きだって聞いて、昨日はピーナッツクリームを一緒に持っていったんだけど、食べてもらえたかな?]