「蓮花は、おれの運命の魔女だよ~。見て見て、美人でしょ」

 大上さんが、満面の笑みを浮かべながらスマホを見せてくる。

 そこにドアップで写されている女の人は、目が大きくて、睫毛が長くて、鼻筋がすっと高くて。長くてふわっとしたチョコレートブラウンの髪の、綺麗な人だった。

「えーっと……、つまり、この方は……。大上さんのカノジョ、さん……ということでしょうか」

「そうだよ~。あとで瑠璃ちゃんに紹介するね」

 嬉しそうに話す大上さんは、蓮花さんという方のことがとっても大好きみたいだ。

 座席に腰かけ直すと、メッセージの返信をするのか、鼻歌交じりにスマホを触り始める。

 その様子を見ていた稀月くんが、呆れ顔でため息を吐く。

「蓮花さんは、宝生さんの娘でNWIの関係者です。これからしばらく彼女の住む家にお世話になります。イヌガミが言っていたとおり、蓮花さんもお嬢様と同じ魔女です。とても頼りになる方なので、なにか困ったことがなんでも聞いてみたらいいですよ」


 私と同じ、魔女——。

 稀月くんの言葉に、私はドキドキしながら頷いた。